ヒマだとろくなことにならない~マリー・アントワネット
2007年 01月 24日
久しぶりにレディスデイに1人で映画を見に行きました。
その前の「ディパーティッド」は胎教に悪すぎたのですが
この「マリー・アントワネット」は胎教のためにあるんじゃないかと思うほど(笑)
美しく華やかでかわいらしい映画でした。
女の子を身ごもっている人は必見!なーんてね。
【オーストリア皇女マリーは、14歳にしてフランス王太子ルイ16世の元へ嫁ぐことになった。結婚生活に胸を膨らませていたが、待ち受けていたのは、上辺だけ取り繕ったベルサイユ宮殿の人々と、愛情のない夫婦生活。ルイは必要な事以外はマリーと口もきかず、同じベッドに寝ていても、指一本触れない。愛情深く育ったマリーだったが、悪意溢れる噂に傷つき、やがて贅沢なドレスやパーティーに心の安らぎを求めるようになる】(goo映画情報より)
人間、ヒマすぎるとろくな事になりません。
というのがこの映画の教訓…?
豪華な衣装、立派な宮殿のお部屋、
そして食事やお菓子の数々も見事。もうため息ものです。
当たり前だけど「フランス料理ってこの頃からあったんだなー」とか、
ルイ16世とマリーが朝ご飯を食べてる後ろでは生演奏つきだし。
あ~バロック音楽ってホントこういう人たちのための音楽だったのねー
としみじみ思いました。
しかし撮影大変だったろうな~。
セットも衣装もヘアメイクも…なんて余計なことを考えたりして。
ベルサイユでのマリーは
①基本的にヒマ
②規則だらけ
③みんなに注目されてる
という状況で、新婚生活を送らなければならなかったんです。
朝の着替えも、夜の寝室にも平気でたくさんの人が入ってくる。
素っ裸でみんなの前で着替えさせられるし、
指一本触れてこない皇太子のせいで
「セックスレス夫婦」っていうのが、宮殿中、国内中に
知れ渡ってしまうのです。
すごいですよー切実ですよ。
例えば…
実母であるオーストリア女帝マリア・テレジアから手紙が来ます。
ウキウキして手紙を開けると…
「早く本当の夫婦になって子を成しなさい!
でないとフランスとオーストリアの同盟が云々…
殿方を責めず、ひたすら美しくありなさい!」みたいな内容なの。
子供がすぐには授からなかった私としては、
身につまされるパートでしたわ。
ルイ16世の弟に先に子供が出来ちゃって、
表面上はお祝いを言いつつ、一人になると号泣する場面とかね…。
思ったのは、ヒマすぎてお金もありすぎると、
人間絶対悪い方に行っちゃうなーってこと。
もし私がマリーの立場だったら結局同じこと
(贅沢三昧、ギャンブル・お酒大好き)になってたと思う。
だって、ほかに時間のつぶし方がないんですよ!?
だからもっと宮廷でも時間割みたいなのがあってさ、
「○○の講習会」とか「外国語のレッスン」とか
分刻みのスケジュールが組まれてたら、ましだったかも。
まぁでも貴族達がそんな真面目だったら、
フランス革命も起きてなかったかもしれないし、
偉大で冗長な宮廷音楽や手の込んだ料理やお菓子も
生まれてこなかったかもしれないよねぇ。
ヒマだけどお金があるところに芸術は生まれるのよね。
でもねー映画の感想としては、上記以上のものは特になし。
ベルサイユでの窮屈な生活に苦悩したり
フェルゼン伯爵との恋愛があったり、
やっと子供が生まれてからの母として充実した生活もあり、
で、最後は革命が起きて、ルイ16世ともども捕らえられてしまう…。
と一応は波乱万丈の人生なんですけどね、ご存知のとおり。
なんてゆーか、「マリーの何を描きたかったのかな?」って
私には分かりませんでした。
全て表面上、さらっと描きました、みたいに見えたー。
でももしかしてソフィア・コッポラ監督は
フワフワのお菓子みたいな、甘い甘い映像が撮りたかっただけなのかも。
私としては「大奥」みたいなあからさまな女同士のいじめとか見たかったわー。
そうそう、王の愛人のデュバリー夫人だけ異彩を放っていたのだけど
途中でストーリーから消えてしまい残念。
この映画見ながら、今度公開になる
「さくらん」(蜷川実花監督で土屋アンナ主演)も、
きっとこういうガールズ映画なんだろうなーって想像してました。
コッポラ監督の娘、ソフィア・コッポラと、
天才演出家、蜷川幸雄の娘・実花。
監督同士にも何か似通ったものがあるじゃありませんか~。
「さくらん」はもうちょっと毒気があると思うので、見に行くつもりです。
by vermilionhome
| 2007-01-24 16:19
| 映画・本・音楽・スポーツ